第7回 風間ココロさん|大切なのは、自分が視点を変えること-枠にハマらない教育者でいる

くらしきぬのお客様とのおしゃべりを通じて、日々の暮らしの中で「ときめき」を見つけるコツを探る『ときめきくらしびと』。第7回は、カナダで働いた経験を活かしてバレエ講師を務める、風間ココロさんにお話を伺いました。

ときめきくらしびと 第7回 風間ココロさん

ココロさんとは、瀬戸内海沿いに佇む宿で出会いました。地元・阿佐ヶ谷で家業であるバレエ教室を継ぎながら、年に数回、岡山で暮らす恋人に会いに来ているのだとか。「最近ときめいたのは?」と聞けば「今!」と笑い、今後住む場所さえも「なるようになる!」と目を輝かせる姿は太陽のよう。しかし仕事の話になった途端、生徒一人ひとりの人生と向き合う責任感の強さに、圧倒されます。世間の“当たり前”に決して流されない生き様が垣間見えました。

プロフィール

風間ココロさん|東京都在住・バレエ講師。阿佐ヶ谷生まれ、阿佐ヶ谷育ち。高校卒業と同時にカナダに留学し、約10年間滞在。アートを学んだ後、バンクーバーで保育士免許を取得し、子どもの学びや表現の可能性について追求。現在は、家業であるバレエ教室のスタッフとして、3~7歳までのクラスを担当。影響を受けた人は、岡本太郎。

ひとつの価値観にハマりたくなかった

  • ココロさんは高校を卒業してすぐにカナダに渡ったということですが、モチベーションはどんなことだったんですか?

    高校までの学校生活で、本当はもっといろんな考えがあっていいはずなのに、同じ価値観ばかりで「なんかつまんない」と思っていたんです。カナダではまずアートを学んだけど、すごくやりたいことというよりは、とにかく日本を出たい!という気持ちが強かったんです。カナダはすごくいいところで、10年くらい過ごしました。

  • 10年はすごいですね…!カナダはどんなところでしたか?

    カナダはすごくよかったです。マルチカルチャーが好きで、色々な人種の人が混じり合いながら、異なる文化がどう共存しているのか、さらにそこで行われている教育に興味がありました。なので、アートの学校を卒業した後は、教育について学んで保育士として働きました。そのときの経験がベースになって、今の仕事にも活かせていると思います。

  • 今は阿佐ヶ谷のバレエスタジオで先生をされているんですよね。

    カナダで永住権の申請をしているときに、母の病気が発覚して日本に帰ってきました。あまり何も考えず、とにかく今はお母さんと一緒にいなきゃと思って。帰国して1年くらいは母の介護をしながら、実家のバレエスタジオで働いていました。介護と両立して働くためにはそれが一番いいかなって。

  • そうだったんですね。てっきり長年、バレエの先生を志していたのかと…!

    もちろん楽しくなかったらやっていないけど、たまたま条件に合う環境があったからやらせてもらった感じです。父が、家族会議でスタジオをもう閉じようかなと言ったときに、真っ先に「もったいない」と思いました。それで私が運営や集客にも関わるようになったんだけど、始めたら楽しくなっちゃって。3年くらいかけて軌道に乗り始めて、今はほとんど父の手を離れて、全面的に運営に携わっています。父はもう80歳を超えているんだけど、今や趣味の釣りばかりでほとんど家にいません(笑)

  • なんて元気なお父様…!ちゃんと家族会議を開いて話し合ったり、素敵なご家族ですね。

    この歳になって、家族の繋がりはすごく実感します。私には長く付き合っている恋人がいて岡山に住んでいるんだけど、周りからは「ずっと一緒にいるのに、なんで結婚しないの?」と聞かれることも多くて。しばらく付き合ったら結婚するのが当たり前という価値観がまだまだあると思います。でも、私の家はちょっと特殊で…。弟は家族がいるけど結婚していないし、兄は子どもが生まれるたびに結婚と離婚を繰り返すっていう変なことをやっていて。「私もちょっと変でいたい!」という気持ちがあります(笑)

インタビューは、ココロさんが提案してくださった阿佐ヶ谷のレトロな喫茶店にて。目を輝かせながら、生まれ育った阿佐ヶ谷が大好きだと語る。

新しい考えに出会うことがときめき

  • 「ちょっと変でいたい」っていいですね(笑)

    多分カナダに長くいたというのも関係していると思います。カナダは事実婚の人も多いし、人種が違う子どもを養子にもらう人も当たり前にいる。カラフルな選択肢が当たり前に認められていたんです。だから、私自身も枠にとらわれたくないっていう頑固なこだわりがある。私は常に挑戦したいし、新しいものに囲まれていたいし、ちょっと破天荒でありたい。ただ、自分の中で大切なものを見つめ直さないと、とは思っています。自分のこだわりを通すのか、誰かと一緒にいるということを優先させるのか。自分の理想がわかっていないと、相手の理想とすり合わせることもできないので。

  • なるほど…。遠距離恋愛中の恋人とは、今後どうしていきたいというのは考えているんですか?

    めっちゃ考えています。答えは出ないけど。どこかで、「なるようになる!」とは思っていて(笑)明日住むところがないっていう状況ではないから、それってありがたい状況じゃない?私は日本のことは、生まれ育った阿佐ヶ谷のことしか知らなかったけど、彼が住む岡山を訪れた時にもっと日本を好きになれたんです。行きたい場所がたくさんあるって豊かなことですよね。

  • ご家族や恋人の存在が、ココロさんの視野をさらに広げてくれているんですね。

    私にとっては、新しい考えとか、枠にとらわれない考えに出会うことがときめきで、昔からすごく好きなんです。だから本も読むし、映画も観るし、海外にも行きたかった。同じ空間にいるとどうしても考え方が似てくるけど、「え、そんな考えあったの?!」ってずっと思いたい。枠にとらわれないことを軸に、人生の決断をしていると思います。

  • 素敵です。最近ときめいたのはいつですか?

    今です、今!お話していてすごく楽しいので、今、更新されました(笑)

「もし私が岡山に住んでいたら毎日山に登る!」と宣言するほど、瀬戸内海の景色に感動したそう。

外へ出て、スタジオの風を循環させる

  • すごくパワフルなココロさんですが、体調管理に気を付けていることはありますか?

    それはもう、身体を温めることに尽きます。お風呂は必ず毎日入るし、気合いを入れたい日は朝も入ります。きっかけとしては、親戚の間で出産前に温活をしている女性がたくさんいたんです。親戚の女性たちは、母体づくりの指導がしっかりしている助産院で出産していて、身体を冷やさないようにって繰り返し言われたみたいで。

    私も冷え性が悩みだったので、冷えとりについて調べてみるとシルクとウールの組み合わせがいいと知って、くらしきぬのはらぱんを買いにLOFTに走りました(笑)それで親戚に冷えとりを始めたことを話したら、親戚一同くらしきぬのユーザーだったんです!冷えは仕方ないと諦めていたところもあったけど、冷えない冬を過ごせるということが衝撃でした。くらしきぬを使うようになってからは、寝るときの寝具も見直して、すべて天然素材に変えました。

  • 親戚の皆さんで揃ってご愛用いただいているとは、本当に嬉しいです…!ココロさんはどんなリズムで一日を過ごしているんですか?

    平日は起きたい時に起きるので、起きる時間は日によってバラバラです。朝が苦手なので朝からどこかに行かなきゃいけないという状況はなるべく作らないようにしていて、夕方から仕事に出ています。でも土日は朝から晩までスタジオに12時間くらいいて、完全にオフな日は基本的にないです。スタジオにいない時間も結局仕事のことで頭がいっぱいだから、今年は周りの人の力を借りて、なるべくみんなで回す仕組みを作れたらなと思っています。自分一人の力では繁栄していかないから、任せる勇気も必要だということに気付きました。

  • なるほど。周りの力を借りるチャレンジをされているんですね。

    今までは、子ども達やご家族に対して自分なりの気配りがしたいし、全部把握していたいという気持ちがありました。でも今年のゴールデンウィークに、思い切ってスタジオを離れてみたんです。一人旅に出ていつもとは違う空気を吸うと、結果的にエネルギッシュになって帰ってきて、スタジオの風を循環させることができるから、この方がいいなと。東京の小さいバレエスタジオの中での社会が出来上がらないように、常に自分は違う場所からの目線も持っておきたいと思っています。

カナダ留学時の1枚。「世界はもっと広い」そのことを忘れないために、これからも本を読むし旅行にも行くという。

教育者として一番大切なのは、自分が視点を変えること。

  • 子どもを教えている時に、難しいと感じるのはどんなことですか?

    自分が慣れてしまうことが怖いです。子どもたちと接する中で、「この子はこういう子」と決めてしまったら、教育者として終わりだなと思っています。慣れに陥るのってすごく簡単。クラスを回さなくちゃとか業務的な仕事もやらなきゃとか、こなさないといけない現実もあるから。

  • 「怖い」という意識が大切なんでしょうね。意識なしに過ごしていると簡単に陥ってしまうから、抗っていかないと。

    そうですね。子どもはナチュラルに感受性や物事の吸収力が豊かだけど、私たちは大人だから意識的に慣れに抗わないと頭が固くなってしまう。一番大切なのは、自分が視点を変えることだから、常に「この子ってこんな一面もあるんだ!」という発見をしたいんです。

    カナダで保育士になるための勉強をしていたときに、先生から「保育士は、水面下で一生懸命に足を動かしている優雅な白鳥ってイメージよ」と言われて、その言葉がずっと忘れられません。子どもを相手にしているから穏やかな表情を絶やさずに、でも笑顔の下では、効率良くディレクションできるように頭をフル回転させないといけないよって。勉強もすごく大変だったけど、保育士として働いてその意味がわかりました。スタジオも同じような一面はあります。教育者としてやらせてもらっている以上、あらゆる知識と対応能力とディレクションスキルが必要で、半端な気持ちじゃできないなと思っています。

  • 子どもにとって幼少期はすごく大切な時期だから、誰にもできる仕事ではないですよね。

    幼児教育はもっと重要視されていいと思っています。子どもの時、大人から言われた一言がその後の人生に響くことはあるから、かける言葉にはすごく気を遣います。「あの一言、言わないほうがよかったかな」とか、それで一日悩んでしまう。

    自分が子どもの頃、バレエを学ぶ過程で、子どもに対して愛情のない言葉をかける先生に出会って、それがきっかけでバレエをやめました。もちろん自分のメンタルが強くなかったこともあるけど、あの時もし違う指導者に出会っていたら…というのはどうしても考えてしまいます。だから今、私に出会ってくれる子達には、「この教室でよかった」と思ってほしい。カナダにいた頃から学んだ幼児教育の知識をフルに使って、子どもの可能性を奪わないように気をつけています。一歩飛び出せば全く違う世界があるし、一人の大人が子どもに正解なんて絶対にあげられない。じゃあ、私はどうあるべきなのか?ということはすごく考えるし、これからも考え続けると思います。

  • 最後に、ココロさんにとっての「ときめき」を教えていただけますか?

    「New Perspective」です!

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  • 取材・文:
    佐藤文子
  • 撮影:
    佐藤文子
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