「えびこの冷えとりノート」は、元くらしきぬスタッフで冷えとり歴16年のえびこが実体験と共に綴る、冷えとりのあれこれ。
Vol.7では、「家族と冷えとり」についてお話しします。
「何枚、靴下を履くの?」
一緒に暮らすパートナーが、ある日突然、靴下を何枚も重ね始めたら?
実は、冷えとりを始めた頃に周囲の人から「ご家族はなんて言ってるの?」と何度も聞かれました。
きっと、夫は口に出さないだけで、戸惑っていたことでしょう。
「なんだか怪しげなことを始めたのか?」と。
履き古したハイヒールは姿を消し、玄関には見慣れない大きなサンダルが並び、レギンスと呼ぶには心もとないシルクのももひき。
そして、溢れかえる靴下の山と、お風呂にこもると数時間出てこない妻……。
冷えとりに出会った当初、藁にもすがる思いだったわたしは、必死に半身浴をしたり、靴下を何枚も重ねたり、食事の陰陽を気にして偏った食生活を送ったりしていました。
そんなわたしの生活に、何も言わず付き合ってくれた夫。ただ、足元を見て「温かそうだね」と一言。
藁にもすがる期、がむしゃら期、そしてゆるゆる期。彼は今もわたしを見て「今日は何枚、靴下を履くの?」と思っていることでしょう。
からだは知っている
我が家の子どもたちは、皆「子どもはらぱん」で育ちました。
「子どもはらぱん」を開発したのも、子どもたちのお腹周りを優しく守ってくれるインナーを作りたいという思いからでした。
素材にこだわり、柔らかい肌を締め付けず、ふんわりと丸く包み込んで温める天然繊維のカバーパンツ。当時、生まれたばかりの末っ子から小学生まで、三人の子どもたちは皆、寝る時にはらぱんを履くのがお約束でした。
現在、小・中・高校生にそれぞれ成長した子どもたち。靴下の重ね履きやはらぱんを毎日しているわけではありません。 それでも、少し体調が悪いな、風邪を引き始めたな、と感じると、内絹外ウールの靴下やレッグウォーマー、腹巻やはらぱんを引っ張り出し、湯たんぽの準備をしています。
長年、様子を見ていた夫も同様に、不調のサインを感じると、はらぱんと靴下を準備するようになりました。 カバーパンツを履く習慣がなかった男性にとって、最初は違和感があったようですが、今では虜になったようです。
男性は女性に比べて筋肉量が多く、冷えを自覚しにくい傾向があるかもしれません。 しかし、性別問わず、加齢と共に筋肉量は減少するため、年齢を重ねた男性も冷えに悩むことがあります。女性に限らず、すべての人に腹巻やはらぱんの良さが伝わると嬉しいです。
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湯たんぽが当たり前の存在に
わたし自身、冷えとりを始めるまで、湯たんぽを使ったことがありませんでした。 今では、寝る前の相棒だけでなく、日中も手放せない存在になりました。
湯たんぽは、徐々に冷めていく自然素材のものが良いと聞き、陶器製に挑戦したこともありましたが、扱いが雑だったため割れてしまいました。
現在は、塩化ビニル樹脂のカバー不要タイプを使用していますが、セーターのようなウールのカバーを付けることで愛着が増しています。
家族みんな、不調のサインを感じると「湯たんぽ、どこ?」と聞くようになりました。 湯たんぽのない生活は、想像できないほど当たり前のものになっています(体調に関係なく、湯たんぽはおすすめなのですが、今はそっとしておきます)。
心地よい着地点
わたしにとって、冷えとり健康法は生活の一部となり、特に意識する必要はありません。自分がよい効果を感じたからこそ、家族にも冷えとりをもっとしてほしい!と思ったこともありました。
でも、心地よい暮らしの基準は人それぞれ違うから。「無理なく一緒にできることをする」、「できないことは無理しない」が大切です。
冷えとりは、必要だと感じた人がすれば良いもの。 一緒に暮らす人がいる場合は、お互いがストレスなく、良いペースで過ごせるのが一番です。
わたしはわたし、あなたはあなた。
現在、半身浴は娘とのコミュニケーションの時間になっています。以前は、一緒に入浴を始めても、娘はすぐにお風呂から出てしまいましたが、今では1時間から1時間半、一緒に過ごしています。 日々の出来事をゆっくり話す、大切な時間。
いつまで二人で半身浴の時間を過ごせるかわかりませんが、これからもその都度、心地よい着地点を探していきたいと思っています。