食べること。その喜びに、冒険心をひと匙添えて   暮らしの匙加減 #3 ハチドリさん

「今まさに食べてほしいもの」を基本に、ちょっぴり冒険心も。そんなワクワクするような料理を届けているハチドリさん。顔なじみのカフェのイベントやお弁当作りなどを中心に料理をふるまうハチドリさんに、人との出会いに導かれるように現在の活動にいたった思いや、日々の暮らしのなかで自分をいたわるための「匙加減」について、たっぷりお話を伺いました。

 

「今、食べたい!」と思うものを

  • ご自身のお仕事を「ごはんやさん」と表現されているハチドリさんですが、普段どのような形で「ごはん」をお届けされているのでしょうか。

    ハチドリさん大きなイベントに出店するというよりは、親しくさせていただいているお店や、私の作ったごはんを気に入ってくださった方からお声がけいただく形で料理をお届けしています。まったくご縁のないところに「はじめまして」と伺うことはほぼなくて、人と人とのつながりの中で、求められた場所へ出向いていくことがほとんどです。ちなみに私は生まれが兵庫県で、結婚を機に岡山へやってきました。今は高梁川が近くを流れる総社市の自然豊かな場所に住んでいるんですが、冬がとにかく寒くて…。なので寒い時期ははらぱんが手放せなくて、娘と一緒に愛用しています。ほかに、冷え取り靴下(内絹外ウールインナー5本指靴下)も、ほどよいフィット感が気持ちよくて、いつも一枚目の靴下として履いています。

  • ハチドリさんは、どんな料理を作られているのですか。

    ハチドリさん今私自身が「食べたい!」と思うものや、「今食べてほしい!」と思うもの基本に、依頼してくださった方をイメージしながら作るスタイルです。

    メニューは実際に買い物に行って、「あ!この野菜、使いたい!」「これ、面白そう」という感覚で組み立てることが多いです。「食材に呼ばれる感覚」というのでしょうか。
    あとは、愛しくて仕方がないというまなざしで育てられたものや、訪れるとすごく気持ちがいい!と感じられる畑で作られたものをなるべく使っています。そういう食材を手に取ると、「こうやってみたい!」というインスピレーションがすごく湧いてきて、料理がスムーズに作れるんです。

    また、昔から食に対する好奇心が旺盛だったので、普段の日本食では使わない調味料を使ったり、食材の合わせ方や切り方に変化球を加えたりして、ちょっと冒険するのも好きです。自分が食べに行くときも、「これなんだろう?」という出会いがあるととても楽しいので、お客さんにもそういう喜びを感じてもらえたら嬉しいなと思っています。


違和感を手放して「ごはんやさん」に

  • 「ごはんやさん」になるまでにはいろんな紆余曲折があったとお聞きしました。

    ハチドリさん:そうなんです。小さい頃から周りの人から「食べることに光ってる」と言われるくらい食べることが大好きで。「食べることが科学になる」ということに興味があって管理栄養士の資格を取ったんですが、いざ働いてみると、「なんだか私がやりたいことではないな」と違和感を抱えていました。
    そんなときに、オーガニック食材など、親しくされている生産者さんなどから旬のものを集めて、「何が作れるかやってみよう!」というスタイルで料理教室をされている方との出会いがあって。すごく刺激を受けたんです。その後、マクロビオティックのカフェで出会った友人が教えてくれたオンラインの料理教室で、「料理を通して命とつながる」という言葉に出会って、「これが私が本当にやっていきたいことだ」と気付いて。そこから今の道へとつながっていきました。

  • 「ごはんやさん」としてデビューした日は、どんな様子だったのでしょう。

    ハチドリさん:大好きだったカフェで出張ランチを任されていた友人が県外に引越すことになり、「あとを任せられる人」として、私をそのカフェのオーナーに紹介してくれたんです。そのときは、たくさんの人に料理をふるまうことなどまったく考えになかったのでとても驚きましたが、バトンを渡された気持ちになって。それが、自分の新しい扉を開くきっかけとなりました。

    当日は、たくさんのファンを持つ方の個展の開催日で、そのカフェ開店以来最多といわれるほどの人が集まって。とにかく大変だったんですが、周りの人やお客さんなど本当にたくさんの方が助けてくださったんです。今思うと、まるで「出産」のような経験でした。

    というのも、実は私、コロナ渦の最中に助産院で出産したんですが、そのときも、本当にいろんな方に助けてもらって、大変な状況のなかでも「幸せだな」と感じられるお産ができたんです。「ごはんやさん」としてのデビュー当日も、「すごく支えてもらっている」という実感と、「自分もよくやったし、みんなにも届けられた」という達成感があふれていて。「素晴らしい誕生」だったなと今でも感謝しています。

料理の醍醐味は“ライブ感”

  • 料理をするなかで、喜びを感じるのはどんなときですか。

    ハチドリさん:料理は、ある程度イメージを持って作っていくんですが、途中で「こうしたほうがおいしいかも」というようなインスピレーションが湧いてくるライブ感が楽しくて。思っていたよりも食材が甘かったり、状態が想像と違ったりしても、「どうやったらもっとおいしくなるだろう?」とおさめていく感覚が、難しいけれどとても楽しい。スリリングな感じは、ジェットコースターに通じるものがあるかもしれません。
    お客さんからもよく、「すごく楽しんで作っているのが伝わってくるから、食べていて楽しい!」と言われるんです。やっぱり「楽しい気持ちで作るのが一番だな」って、いつも思っています。

  • 毎日のごはん作りに、頭を悩まされている方も多いですが、ハチドリさんはご家庭での毎日のごはんも、そんな風に楽しく作っていらっしゃるのでしょうか。

    ハチドリさん:ごはんを作りたくない日、私ももちろんありますよ。毎回ではないですが、「疲れているのにごはん作らなきゃ」とイライラしそうな時は、思い切って作るのをやめて、明るく手放すことにしています。「今日の晩御飯は、納豆と冷奴でお願いしまーす」みたいに、罪悪感なく宣言すると、意外に家族も「分かったー!」とのってくれるんです。不機嫌な顔をしているよりも、時にはゆるむほうが、結局いいんじゃないかと感じています。

「寝るチャレンジ」と「罪悪感なく食べる」こと

  • 「今日は料理作らなーい」と明るく宣言してしまう。なんだか心が軽くなる素敵な方法ですね。ほかにも、「今日は疲れてるな」と感じるときに、自分をいたわるためにしていることはありますか。

    ハチドリさん:頭では分かっていても、なかなかできずにいたことなんですが、最近実践しているのは「寝るチャレンジ」。
    私は眠たいときでも、「やることやってないのに寝るなんてありえない!」と頑張ってしまうタイプだったんですが、最近は自分の「眠たい」という気持ちをまずは受け止めようと心がけています。「今日は疲れたから寝まーす」と宣言してゴロンと寝転がっても、実際には子どもが寄ってきたりして寝れない時もありますが、イライラは一旦解放できるんです。「眠たいのにー」と文句を言いながら用事を済ませるよりも、まずは怒らずに「今私はこうなんだ」という意思表示ができたら、心がちょっと楽になって。そうすると、家族も怒ってこないし、こっちも腹が立たなくなるんです。

    ほかには、整体師講座を何年も受講しているおかげで、「自分のからだに意識を向ける」ということが、ふとした瞬間にできるようになりました。「意識するぞ!」と思わなくても、普段の生活のなかで、「あ!」とからだのサインに気付くことが増えました。「なんだか最近ゆらいでるな」と感じる時は、エクササイズを受けにいくこともあります。

  • 「食を通じて自分をいたわりたい」と思っている人に、アドバイスがあればぜひ伺いたいです。

    ハチドリさん:「食べたいな」と思うものは罪悪感なく食べて、100%楽しんでください。例えば、夜遅くに何か食べたくなったときに「あぁ、食べちゃった。太っちゃう」と思いながら食べるのではなくて、「これが食べたかったんだ。これが、今私に必要なんだ」って本当に思えるものを食べるほうがいいと思っています。惰性で食べるのではなく、「食べたいから食べる」。そうすればきっと、「魂の栄養」になるはずですから。

  • ハチドリさんが愛用されている、『シルク&ウール はらぱん ショートタイプ』『冷え取り靴下(内絹外ウールインナー5本指靴下)』はこちら
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